ボタニカルあるある 完成はいつ?
2020年 07月 11日
ある時私は
エプソンさんの事務所に仕事でお邪魔したことがあります
広い事務所に入ると 大きな壁の上の方に
額に入った小さな1枚の写真が飾られていました
それは私が大好きなアンセルアダムズの写真でした
アンセルアダムズとはアメリカの有名なフォトグラファーで
ヨセミテ公園を代表とする雄大なアメリカの大自然を
モノクローム写真に残した人物fです
特筆すべきはその諧調の豊かさ
白から黒への深い深い豊かな諧調を出すことに成功した彼は
写真界の神と崇められています
私が写真を始めるようになったきっかけも彼の影響でした
「あれはアンセルアダムスの写真ですよね?」
「何故あんなところに飾ってあるのですか?」と
私は妙に上の方に小さく飾られた写真を
少し不思議に思って訪ねてみました
「あーあれですね!
いや僕たちプリントの仕事を長時間やっていると
感覚がおかしくなって基準がわからなくなる事が多いんです
そういう時にはあのアンセルアダムズの作品を見ると
感覚がリセットされるのです。」
なるほど
白から真っ黒に至るまでのグラデーションの基準がわからなくなった時に
アンセルアダムスの作品を見ると
目がリセットされるし 豊かな階調も思い出して
判断がしやすくなると言うことです
ボタニカルも同じようなことが起こりがちです
作品がもうそろそろ仕上がると言う時になって
でもまだもう少し薄いかな もうちょっと濃くしてみよう
何度も何度も加筆して
しばらく作品を放っておいて前を通るたびにちらちらと眺めてみたり
果たしてどこまでやったら正解なのか?
もう兎に角作品を見すぎて訳がわからなくなってしまうのです
そういった時はエプソンさんの例のように
何か基準となるものを用意しておく事をお勧めします
つまり 良く描けた誰かの作品や自分の作品を
飾っておくのです
そしてそれと自分の作品を比較してみる
因みに私は恐れ多くもルドゥーテの作品の横に
自分の作品を並べてみて 確認しています
そして過去の自身の作品で完成度の高いものの
横に並べて描きこみなど十分か確認しています
そうすると描き込みや陰影の足りない作品はすぐにわかります
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ボタニカルアートの決定版
by Art-de-vivre
| 2020-07-11 22:17